無痛治療

Painless treatment

歯医者が嫌われる理由に、歯を削る際のタービンの音と治療が痛い、があります。
前者は改良されたタービンを使うことで大幅に軽減しました。
痛みに関しては、歯を削る際にエナメル質に限局している場合は、痛みを感じないものなのですが、患者さんに聞いて心配なら、麻酔をしています。
また大きく削ったり、神経を抜いたり、抜歯するときは麻酔をすることは当然ですが、その麻酔注射の際の痛みに関しても幾つかの留意点を設けています。

まず注射針の刺入点に、表面麻酔を綿球にしみ込ませ塗布します。
これは最初のチクリという感じを防ぐためです。
痛みには閾値(いきち=痛みとして感じる水準)があって、そのチクリで閾値が下がり痛みに敏感になることがあるからです。

次に注射針を粘膜組織に入れる場合、針を進めていくと痛みを感じるので、口唇を持って、粘膜部位を針に近づけながら入れてやると(針は静止したままで)痛みを感じづらくなります、勿論薬液は体温程度に保ち、冷感からくる痛みを予防します。

最後に麻酔液の注入はゆっくり行い粘膜組織の圧迫による痛みを防ぎます。

麻酔の範囲が広い場合は、麻酔液が浸透している箇所をつなげるように注射を行い、痛みを防ぎます。
痛みの感覚は患者さんによってかなりの差がありますが、半数以上の患者さんには、いつ麻酔したか分らなかったと言ってもらっていますし、他の患者さんも「少し痛みは感じたが大丈夫だった」と言われることがほとんどです。
それでも全体の一割位の患者さんには痛かったと言われますから、麻酔は手技なのでより慎重を期す契機になっています。